恋の駆け引き

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高校卒業すると、ほぼ同じタイミングでやってきた彼女。

家業の寿司屋見習いを始めたと言え無一文です。
むしろ彼女の方がいくらかの日銭を持っていたかも知れません。

一歳児の近所のおばちゃんに面倒みてもらっているのは母が工面していたと思います。
食事は家の物を食べるし、病院の送り迎えは私がするから、お金は使わないです。

でも家へ引き取った手前、母はいくらかの小遣いを渡していたと思います。
病院へ行った際に女性特有な物は買っていました。

近くには店がないのです。
あるのは八百屋さんと魚屋さんと豆腐屋さん。
後は電気屋さんがあって少々の雑貨は扱っています。

4キロメートルほど先にコンビニがあります。

過疎化で中学校がなくなって久しいです。

では家の寿司屋がなぜ存在するか。
村のたまり場なんです。
冠婚葬祭の用足しは殆ど家が扱います。

4キロ先のコンビニへ行くのと同じように4キロ先からお客さんがやって来てくれます。

何度も一緒に車で行き来している間に、優子さんとケン君になっていました。

大変失礼だけど妊婦のお腹は邪魔ですね。
器を下げるのも、お茶を出すのも大変そうです。

そして出会って5か月後の8月に次女が生まれました。

その間1歳女児を何度もお風呂に入れたし、近所の散歩もさせました。
話せない子になっては困ると思い、話しかけもしました。
テレビを見て覚えたのか、私の事はパパです。

ケン君と言ったらぶん殴ってやろ(笑)